アリス「と、いうことで『エピクロス』についてみていくわよ。」
テレス「全然知らない哲学者だな。」
アリス「彼の哲学は『快楽主義』と呼ばれるわね。」
テレス「『快楽主義』??あんなことや、こんなことしたりすんのかな??」
アリス「あんたが何考えてんのかは知らないけど、そういう意味じゃないわよ。」
テレス「じゃあどういう意味なの??キャッキャウフフな内容じゃないの??」
アリス「『エピクロス』が述べていた快楽とは『飢え』や『痛み』などの苦痛が取り除かれた状態のことね。」
テレス「なんで??快楽ってそういうことじゃないの??」
アリス「それは、その時は気持ちがいいかもしれないけど、それをずっとやってみたら??いつか『もういいや』ってなるよね。そういうものは必要ないってことなのよ。」
テレス「やり続けていたら飽きるもの…というかそれ以外のことは正しいことってことなのか。」
アリス「そうね。たとえば食事は必然的なことなのでもちろんOKよ。ただし、豪華な食事は必然ではない欲望なので禁止してるわ。まぁ要するに、必要最低限の衣食住があって健康に問題がなければ、それだけで十分幸せだと言っているのね。」
テレス「本当に必要なものだけあれば生きるのは十分だもんね。」
アリス「あと彼は『隠れて生きよ』とも言ったわ。」
テレス「どこから隠れるの??」
アリス「まぁ平たく言うと俗世間からね。彼は30代半ばで『エピクロスの園』を開き弟子たちと共に自給自足の生活をし始めるの。」
テレス「周りの人間が嫌いだったのかな??」
アリス「そんなことはなかったそうよ。ただ、都会にいるといろいろな誘惑があるから、ひっそり生活して、そこで満たされようとしたんじゃないかしら??それに彼は『真の快楽とは友愛である』とも述べているからね。人との付き合いも大事だと言ってるの。」
テレス「なるほどね。」
アリス「ちなみにそういう平穏な精神状態のことを『アタラクシア』と呼んで、理想の境地としているからね。」
テレス「現代でもそういう人っていっぱいいるよね??」
アリス「え??そうかしら…。現代は物もあふれているし、『アタラクシア』の境地にいる人って少なそうだけど。」
テレス「いや、ニートって呼ばれている人ってそうじゃないの??質素なごはんとパソコンしかないのに生きていけてるんだから。まさに『隠れて生きよ』を体現してるよ。」
アリス「社会不適合者と一緒にしないでよね!!」
参考文献
史上最強の哲学入門 SUN-MAGAZINE MOOK
萌える☆哲学入門 大和書房