ルワンダ紛争について
わずか100日のうちに80万人以上が殺害されてしまいました。なぜ起きたのか考えよう。
A「『ホテルルワンダ』と『ルワンダの涙』っていう映画を見ました。」
B「ふ~ん。ルワンダってどこにあるの??」
A「それは↓を見てね。」
B「結構小さいね。」
A「そう、そこで『ジェノサイド』が起こってしまったんです。」
B「『ジェノサイド』って何??」
A「まぁ、大量虐殺と思ってくれたらいいよ。」
第一次世界大戦後ルワンダはベルギーの植民地になっていました。
ベルギー「ルワンダを統治するにはどうしたらいいだろう??」
ベルギー「まず、一番ダメなのは俺たちベルギー人が直接ルワンダで統治することだ。これじゃあ直接ベルギー人が嫌われて反乱も起きちまう。鎮圧には金も人もかかるしな。」
ベルギー「まぁ、とりあえず現地人の調査でもしてみるか。」
ベルギー「ふむ、なになに…王に仕えている人たちが『ツチ』でそれ以外が『フツ』と呼ばれているのか…うまく利用してやろう。」
ベルギー「よし、これからは『ツチ』がこの国を支配するんだ。」
A「もともとルワンダは王国で、その王のもと家畜・軍事・土地の三つのチーフを通じて統治されていた。で、そのチーフの座にいたのが『ツチ』ってわけだ。」
B「ふ~ん」
A「チーフは慣習的に『ツチ』が務めてたけど、裕福な『フツ』の農民が政治力を持ち『ツチ』になったり、貧乏な『ツチ』が『フツ』の農民と結婚したりすることもあり、その境界線は絶対的なものじゃなかったらしい。」
B「で、ベルギーがこの制度を利用し始めたのね。」
A「そうそう、肌の色や鼻の大きさなどを基準に勝手に境界を作り、勝手に二つの『民族』に分けてしまったんだ。」
B「でも、さっき『ツチ』と『フツ』の境界線は曖昧だとか言ってたじゃん。」
A「そうなんだけど、統治するベルギーの都合で無理やり分けられてしまったのさ。」
ベルギー「こうして『ツチ』をルワンダの支配者層とすることで、『フツ』は『ツチ』を恨むだろう。こうしてベルギーに敵意はむけられなくなるって作戦よ。」
こうしてベルギーはルワンダを植民地にしていましたが、第二次世界大戦も終わり、ベルギー本国が戦争でぼろぼろになっていたので、植民地にかまっていられなくなりました。
ベルギー「『フツ』が反乱してる??もういいじゃん好きにすれば。」
ということで、1962年ベルギーはルワンダの独立を認めました。
フツ「ようやく俺の時代が来たぜ。ルワンダには俺たちが85%くらいいるんだ。当然俺たちが政権を取るぜ。」
フツ「『ツチ』の野郎め。散々俺たちをこき使いやがって。徹底的に排除してやる。」
そして『フツ』の逆襲が始まった。『フツ』は一党独裁体制を樹立して、組織的に『ツチ』の排除を進めた。
そして隣国に逃げた『ツチ』。だが彼らも黙っていなかった。『ツチ』と『フツ』の穏健派などから『ルワンダ愛国戦線』を結成し、『ルワンダ紛争』が始まった。
1993年に和平合意が結ばれるものの、翌年『ハビャリマナ大統領』を乗せた飛行機が何者かにより撃墜されたしまう。
この事件をきっかけに『フツ』は『ジェノサイド』を開始する。
そして100日間で80万人以上殺害するという異常な事態になった。
B「『ハビャリマナ大統領』は誰に殺されたの??せっかく和平協定を結んでたのに。」
A「それが、誰がやったのか分からないんだ。フツの過激派かツチか…まぁでもそれがきっかけで『フツ』が『ツチ』を虐殺し始めたんだよ。」
B「国連とか何してたの??」
A「何もしてないよ。」
B「え、なんで??こんな事態になってるのに??」
A「この時、現地には国連の人間で『ダレール』っていう人がいたんだけど、この人が国連やアメリカに要請しても軍を派遣してもらえなかったんだ。」
B「なんで??」
A「前に『ソマリア内戦』を勉強したけど、その時アメリカ軍を突入にして散々な結果になってしまった。さらにヨーロッパでは『コソヴォ紛争』が起こっている最中。誰も知らないようなアフリカの小国のことなんか、どうでもよかったんだよ。」
B「うわ、サイテー」
A「まぁね。アメリカとしてはさらなる失態をするわけにはいかないし、国連としてもソマリアで失敗しているので、うかつには動けなかったんだよ。」
B「で、その後どうなるの??」
A「まぁ結局遅まきながら1994年7月に国連の介入で虐殺は終結。『ルワンダ愛国戦線』が勝利して彼らがルワダを作ることになる。」
B「で、それから現在に至るまでは??」
A「うん、かなり調子がいいみたいだね。汚職も少ないし、犯罪も少ない。近代化が進み『アフリカの奇跡』なんて呼ばれてる。最近はIT立国を目指して頑張っているらしい。」
B「こんなところで、また次回。さよーなら!!」
