ホルムズ海峡の封鎖について
イランがホルムズ海峡を封鎖すると脅しています。なぜそのような世界にとって刺激的な発言をするのでしょうか??
ホルムズ海峡は下図(Wikipediaから)で確認してください。
A「ということで、今日はホルムズ海峡の封鎖について考えてみよう。」
B「なんでこんなことが起こったの??」
A「一言でいうならば、欧米にいろいろ文句言われたからキレたって感じ。」
B「なんでいろいろ文句言われたりしたの??」
A「それはイランが核兵器を作っているからだよ。」
B「核兵器作ってんの??」
A「まぁその辺の歴史を少し見て行こう!!」
1970年代、アメリカとイランの関係は良好だった。
アメリカ「近代化するためにいろいろ援助してあげよう!!」
イラン「急速に近代化がスタート!!」
当時は東西冷戦の時代。イランは西側諸国との関係性を重視してアメリカの援助を頼って近代化を進めていた。
しかし、政府同士の仲は良くても、イラン国民は納得しなかった。
イラン国民「いつもいつもアメリカの機嫌ばかり窺(うかが)って…ふざけんじゃねーぞ」
ということになり、1979年に『イラン・イスラム革命』が起こり、反米政権が樹立。
ここからアメリカとイランの関係が悪くなるのだった。
そしてこの混乱のため石油の生産が中断し『第二次オイルショック』が起こったのだった。
1980年になると『イラン・イラク戦争』が勃発。
アメリカ「イランの野郎むかつくぜ!!俺様に逆らう国なんて滅ぼしてやるわ!!ってことでイラクを支援しよう」
イラク「アメリカから武器がたくさん手に入ったぞ!!これで勝てる…とか思ったけど国内が上手くまとまらんわ。」
ということでクダクダ戦争が続いたので皮肉を込めて『イライラ戦争』とも呼ばれる。
A「70年代から80年代までざっと見てきたけどどう??」
B「最初はイランとアメリカって仲良かったんだね。」
A「そうだね。でもイランのタカ派の反発があり、革命に発展してしまったんだ。」
B「ていうか、この革命がきっかけで『オイルショック』が起こってたんだ。知らなかった。」
A「そうだね。イランは石油の輸出で成り立ってるような国だからね。まぁイランに限らず中東は全部そうだけど。」
B「ふ~ん」
A「で、この石油を輸出するときに通ることになるのが『ホルムズ海峡』だ!!」
B「ん!?ってことはここが封鎖されると外国が石油を買うことが出来なくなり『オイルショック』が起きるかもってこと!!」
A「まぁイランの狙いはそれだね。そのカードをちらつかせながら周りの反応を窺っている状態だな。まぁとりあえずこれも後でまとめるとして、次に行ってみよう。」
B「そして革命が起きて、反米になったから怒ったアメリカが『イラン・イラク戦争』を利用してイランを潰そうとしたのね」
A「まぁそういうことだね。ちなみに、このときのイラクの大統領って誰だかわかる??」
B「いや、知らんよ。昔の日本の総理だって知らんのに…」
A「それはそれで問題だけど…正解は『サダム・フセイン』だ。」
B「え!?『フセイン』って何年か前に処刑されたあの人??アメリカと仲悪かったんじゃないの??」
A「仲が悪くなったのはこの後起こった『湾岸戦争』からなんだよ。この頃はアメリカとイラクの関係は悪くはなかったんだ。」
B「へぇ~。」
A「こうして『イライラ戦争』は痛み分けって感じで1988年に終結。その後の両国の関係を見て行こう。」
時代は跳んで2000年代です
イラン「ていうかさぁ~なんか~インドとかパキスタンとか見たいにぃ~『核兵器』を持ったほうがぁ~良いんじゃないかって思えてきたんだけどぉ~」
EU「お前マジなんなん!?持っていい訳ねぇだろ!!」
イラン「はぁ!?インドとかパキスタンとかイスラエルも持ってんじゃねぇかよ。なんで俺が持ってちゃいけねぇんだよ!!イスラエルぶっ飛ばしてぇんだよ!!」
アメリカ「坊主…よく聞け。世の中にはなぁ…核を持っていい国と、持っちゃあいけない国ってのがんのよ。前者が俺のような超大国で後者は貴様らのような脆弱国家なんだよ!!」
A「ちなみにアメリカが言ってるのは『核(かく)拡散(かくさん)防止(ぼうし)条約(じょうやく)』のことね。」
B「そんな条約なの??」
A「核兵器をこれ以上広がらないようにしようって条約よ。」
B「これ以上ってことは、何カ国かは持ってんの??」
A「それがアメリカ、ソ連(ロシア)、フランス、イギリス、中国の五カ国だ。」
B「インドとパキスタンとイスラエルがどうのこうのって言ってたけど??」
A「これらの国はその条約を無視して勝手に核兵器を作った国ね。まぁイスラエルは認めてないけど。でも100%作ってる。」
B「イスラエルぶっ飛ばしたい…とか言ってるけどなんで??」
A「まぁ中東はどこもイスラエルとは仲が悪いからね。」
B「そうなんだ。」
A「でも、公の場でイスラエルを潰したいので核兵器作ります!!って言えないわけだからどうするかというと…」
B「原子力エネルギーで発電のために使うって言えば、それっぽくなるね!!」
A「そういうこと。発電のため(まぁよく言われるのが平和利用ってやつ)に使うってことにしたら、他の国でもやっているわけだから、まぁ文句は言いづらいよね。」
B「それで、この機に乗じて核兵器を作ろうとしてるのね!!」
A「まぁそんなもんだよね。ちなみに北朝鮮も同じこと言ってるからね。」
B「なるほどね。」
A「で、この核施設についてEUやアメリカが文句つけてきたわけね。」
B「たしかに平和利用してるとは思えないもんね。」
A「だから、文句言われてむかついたから、ホルムズ海峡を封鎖するぞって怒ったわけね。」
ホルムズ海峡の封鎖はなぜ行う??
→西側諸国がイランの核施設について何度も執拗に追及してきたから。
それで怒ったイランが西側諸国に嫌がらせをしてやろうと思ってホルムズ海峡を封鎖するって言った。
核施設があるから石油じゃなくて核燃料を売りたいの??
→石油のほうが金になるので石油を売りたいはず。もしかしたら、反米国家に核燃料や、その作り方を売るかもしれないが、メインではなさそう。(ちなみにイランの核施設の建設には北朝鮮がかかわっているという噂も…)
戦争したいの??
→多分したくない。イランのアフマディネジャド大統領は、根っからの反米主義者で超保守派。まぁその立場上屈するわけにはいかないから、ただのポーズじゃない??国内での支持率も下がってるから必死なんだよ。
B「で、実際に封鎖するのかな??」
A「しないんじゃない??」
B「なんで??」
A「だって封鎖したら西側諸国も困るかもしれないけど、イランが一番困るもん。」
B「ん??」
A「イランはというか、中東は石油を売ることによって成り立ってる国だからね。それを売らないとなると、結局自分の首を絞めることになるからね。」
B「あぁ…」
A「それに、もし封鎖して戦争になったらアメリカとイギリスも攻めてくるし、それにイスラエルもこれを好機とえて何かしらの行動を起こすかもね。」
B「ふ~ん」
A「あと、欧米は最近景気が悪いのでそれも影響してるのかも。この状態でさらに石油が来なくなったら世界経済に与える影響が大きいしね。さらに不況になるかも知れないしね。」
B「なんかいろいろな要因が複雑に絡みついてるんだね。でも分かった気になったわ!!」
A「というわけで今回はここまで。それではまた!!」
あとがき…というか書ききれなかったもの。
世界各国がイランの核施設に対して文句を言ってるのは、核兵器を作らせないのももちろんですが、『核兵器作ったもん勝ち』という状態にしたくないからです。現に核兵器を作ってしまった、インドとパキスタンには他国は何も文句が言えません。これを他の国がまねて、外交の切り札にしてくると厄介なのです。なので、まだぎりぎり核兵器を作っていないイランには何とか作らせまいとして、国連や世界各国などが頑張っているのです。
